糖尿病とは、膵臓から分泌されるインスリンというホルモンが減少、または分泌されなくなることにより血糖値(血液の中の糖分の値)が上昇し、この状態が長く続くことにより網膜症、神経障害、腎症、動脈硬化などを合併症として引き起こす病気です。
糖尿病になって高血糖状態が続くと、歯周組織内の毛細血管では、白血球機能の低下やコラーゲン破壊機能の促進、およびコラーゲン合成阻害が起き、血管壁も変性を起こします。また、高血糖の状態では、歯肉内の血管から糖分が浸みだし、虫歯菌や歯周病菌に養分を与えてしまうことになります。このため、糖尿病のコントロールが良くない場合は、虫歯が発生しやすくなり歯周病がどんどん悪化しやすいのです。このことは、歯周病だけではなく体全体に細菌感染をおこしやすくなり注意が必要です。コントロール状態の目安としてHbA1C(血糖値の平均値を表す数値)7.0%以下を目指しましょう。
また、血糖降下剤の服用やインスリン注射を行っている方は、歯科治療時の低血糖にも注意して異常を感じたら我慢せずスタッフにお声掛けをしてください。