歯周病について知ってほしい! 第15号 PG菌は完全に除菌できるのか? - 武蔵小山 よしだ歯科クリニック|痛みの少ない丁寧な治療

歯周病は「除菌する病気」ではなく「管理する病気」です

― 武蔵小山のよしだ歯科クリニック

歯周病について調べていると、

  • 「PG菌を除菌する方法」
  • 「歯周病菌を完全に殺菌できるのか」
  • 「歯周病は完治するのか」

といった情報を目にすることがあります。

特に、歯周病の代表的な原因菌である**PG菌(Porphyromonas gingivalis)**については、「完全に除菌したい」と考える方も少なくありません。

しかし現在の歯周病学では、

👉 PG菌を完全にゼロにすることは現実的ではない

と考えられています。

では、なぜ完全除菌が難しいのでしょうか?

本記事では、歯周病専門の視点から、PG菌と除菌の考え方について解説します。



PG菌とは?

PG菌(Porphyromonas gingivalis)は、

重度歯周病との関連が深い歯周病菌です。

この菌は、

  • 深い歯周ポケット
  • 酸素の少ない環境
  • 出血がある場所

を好みます。

さらに、

  • 鉄分
  • タンパク質

を栄養源として増殖します。

現在では、

👉 「キーストーンパソジェン」

と呼ばれ、歯周病の進行に大きく関与する細菌として研究されています。


PG菌は完全に除菌できるのか?

結論からお伝えすると、

現在の医療では、PG菌を完全にゼロにし続けることは困難です。

その理由は、

PG菌だけでなく、口の中には700種類以上の細菌が存在し、

細菌同士が複雑な生態系を作っているためです。

また、医療器具のように人間を機械に入れて「滅菌」することはできません。


なぜ除菌が難しいのか?

理由は大きく3つあります。


① 細菌は常に存在している

健康な人の口の中にも細菌は存在します。

つまり、

👉 「細菌がいる=病気」

ではありません。

問題は、

👉 「病原性の高い細菌が増えすぎること」

です。


② バイオフィルムに守られている

PG菌は単独で存在しているわけではありません。

歯の表面では、

細菌が集まって

👉 バイオフィルム

という構造を作っています。


バイオフィルムの中では、

  • 抗菌薬が届きにくい
  • 洗口液が効きにくい
  • 細菌が生き残りやすい

という特徴があります。


③ わずかでも生き残った細菌が再び増殖・定着する

歯周病治療や薬品によってPG菌を大幅に減らすことは可能です。

しかし、無菌化はできないのです。

  • 家族との生活
  • 食事
  • 日常の細菌環境

などの影響で、減らした細菌が再び増殖・定着していきます。


歯周病は再感染するのか?

歯周病はインフルエンザのような感染症とは少し異なります。

歯周病の場合、

「再感染」というより、

👉 「細菌バランスが再び崩れる」

と考えた方が適切です。


現代歯周病学の考え方

以前は、

👉 「歯周病菌を殺す」

という考え方が中心でした。

しかし現在では、

👉 「細菌環境を健康な状態に維持する」

という考え方が主流になっています。


Dysbiosis(ディスバイオシス)

歯周病は、

細菌叢(さいきんそう)のバランスが崩れる

👉 Dysbiosis(ディスバイオシス)

によって進行すると考えられています。

つまり、

PG菌だけを見れば良いわけではなく、

お口全体の環境を整えることが重要です。


PG菌を減らすために重要なこと

完全除菌は難しくても、

PG菌を大幅に減らし、活動しにくい環境を作ることは可能です。


① 歯周ポケットを浅くする

PG菌は、

  • 酸素の少ない場所
  • 深い歯周ポケット

を好みます。

歯周治療によって、その環境を改善していきます。


② 出血を止める

PG菌は、

血液中のヘム鉄を利用します。

つまり、

👉 歯ぐきの出血はPG菌の栄養源

になります。

炎症を改善し、出血を減らすことが重要です。


③ バイオフィルムを除去する

毎日の

  • 歯ブラシ
  • フロス
  • 歯間ブラシ

が非常に重要です。


④ 定期メインテナンス

歯周病は治療後が重要です。

定期的なクリーニングによって、

PG菌が増えにくい状態を維持します。


歯科医院で行う治療

歯科医院では、

  • 歯周ポケット検査
  • スケーリング
  • ルートプレーニング(SRP)
  • PMTC
  • メインテナンス

などを行います。

目的は、

👉 PG菌を中心とした」歯周病菌が住みにくい環境を作ること

です。


よくある質問

洗口液だけでPG菌は除菌できますか?

洗口液は補助的な役割です。

バイオフィルム内部の細菌を完全に除去することはできません。


抗菌薬で完全に治りますか?

抗菌薬が使用される場合もありますが、

歯周病治療の基本は、

👉 バイオフィルムの機械的除去

です。


歯周病は完治しますか?

炎症をコントロールし、

長期間安定した状態を維持することは可能です。

しかし、

継続的な管理が重要になります。


武蔵小山で歯周病管理を検討されている方へ

歯周病は、

「細菌をゼロにする病気」ではなく、

「細菌と共存しながらコントロールする病気」です。

特にPG菌は、

深い歯周ポケットや出血環境を好むため、

早期治療と定期管理が重要です。

武蔵小山のよしだ歯科クリニックでは、

歯周ポケット検査や専門的クリーニングを通じて、歯周病の継続的な管理を行っています。


まとめ

PG菌(Porphyromonas gingivalis)は、

歯周病に深く関与する細菌ですが、

完全に除菌することはできません。

重要なのは、

✔ 歯周病菌を減らすこと
✔ 歯周ポケットを改善すること
✔ 出血を減らすこと
✔ バイオフィルムを除去すること
✔ 定期的なメインテナンスを続けること

です。

現代の歯周病治療は、

「除菌」ではなく「管理」

という考え方が中心になっています。

この記事の監修者
よしだ歯科クリニック 院長 吉田浩一
東北大学歯学部卒

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